たくさんの居酒屋が集まる街
東京にはたくさんの人が集まるため、必然的に店も多くできます。
お酒を飲んで食事をしたいという需要に応えるべく、居酒屋がたくさんできましたが、どこも同じではお客としては立地条件のいいところへ集まっていくのは必至です。
そこで、駅から少し離れている場所や、規模の小さな店は何らかの面白みがないと来てもらえないと考え、集客につながる独創的な居酒屋へと変わり始めました。
こうして、たくさんの人がいる東京には、それぞれの店がお客さんを呼び込もうと工夫を凝らし、結果的にユニークな居酒屋が爆発的に増えたわけなのです。
伝統行事を採り入れた居酒屋
秋田県から東京に出てきて、故郷を離れて仕事をしているという人なら、ふと、今故郷にいる親や家族、友人たちはどうしているだろうなと思うこともあるでしょう。
そんな風に思い始めると、故郷が恋しくて仕方がなくなるかもしれません。
そこでおすすめなのが、なまはげにスポットを当てた居酒屋です。
なまはげとは秋田に古くから伝わる神事の一つで、なまはげは山の神々の使いとされています。
その使いが家々をまわり、口にするセリフと言えば誰もが知っている「なぐごはいねがー!」です。
泣く子はいないかという意味ですが、これが恐ろしいなまはげの面をかぶった独特のいでたちで、しかも大声で言われるものですから、100%といっていいくらい、秋田の子供たちはまず泣きます。
ただ、そこは居酒屋、集っているのは大人ばかりということで、さすがに誰も泣きませんし、それどころか大いに盛り上がることでしょう。
秋田の伝統行事であるなまはげのことは知っていても、実際に目の前でなまはげを見るという経験はなかなかできませんので、とても人気のある居酒屋です。
故郷から来た人も東京の人も
秋田から出てきた人は久しぶりになまはげを見て、故郷に帰ったような気がしてホッとすることでしょう。
東京で生まれ育ったという人なら、秋田に思いを馳せ、こうした風習が今も続いていることに感慨深い思いを抱くかもしれません。
おいしくお酒を飲んで料理を食ベられる居酒屋で日本古来の伝統行事を楽しめるのは、意外性があり、おもしろくもあり、貴重な経験にもなります。
たくさんの居酒屋がひしめき合う東京では、何をテーマにするかを生き残りをかけて考えなくてはならない、まさに激戦区です。
それだけに、利用する側はなまはげのような滅多に見られないものを見ることができる、貴重なお店になります。